外壁塗装とは?効果・費用・塗料の選び方まで解説します!

リフォームについて調べていると、外壁塗装という言葉をよく目にしませんか。
外壁塗装という言葉は知っていても何をするのか、どれくらいの費用がかかるのかなど、詳しい内容について知らない方も多いかもしれません。
一般的には家の壁をペンキで塗る作業という印象がある外壁塗装ですが、実はそれだけではありません。家の外装を整えるだけでなく、住まいの劣化を防ぎ、雨や紫外線から守る大切なリフォームのひとつです。
この記事では、外壁塗装の基礎知識や相場費用、種類ごとの特徴、施工の流れまでをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装とは?

外壁塗装とは簡単に説明すると家の外装をペンキなどで整える作業のことです。 言葉自体はよく目にするし、古くなった家の外見をきれいに整えてるだけと思われがちですが、実はそうではありません。
外壁塗装は見た目を整えるだけではなく、雨風や紫外線から建物を守り外壁の劣化を防ぐ家を長持ちさせるためには欠かせないリフォームです。
塗料には色だけじゃなく、防水・遮熱・汚れにくさなどの機能がついており、外からの天気、カビ、紫外線などに対して、家を長持ちさせるという役割があります。
私たちに例えると、黄ばんだ服などをきれいにし、荒れた肌のケアをし、日焼け止めを塗り再度保護するといったイメージするとわかりやすいかもしれません。
住まいの見た目と家の耐久性の両方を支える、大切なメンテナンスといえるでしょう。

二級建築士
加藤 大輔
外壁塗装のタイミングは下記のような現象がみられた時がポイントです。①外壁を触った時に手に粉上のものが付着する(チョーキングと呼ばれ塗装表面の劣化を現します)②コケや汚れが目立つようになる③外壁に0.5㎜以上のひび割れや欠け、反りなどがみられる これらは外壁の劣化を示す重要なサインとなります。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装にかかる費用は、塗料の種類や建物の大きさ、施工内容によって大きく変わります。「なるべく安く済ませたい」「長持ちする塗料を選びたい」「おしゃれな外観にしたい」など、目的に合った塗料を選べば、納得のいく仕上がりが目指せるでしょう。
外壁塗装の種類
外壁塗装に使われる塗料にはさまざまな種類がありますが、代表的な塗料は有機塗料と無機塗料の2つに分けられます。

有機塗料
有機塗料とは、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの合成樹脂を主成分にした塗料のことです。無機塗料に比べ値段が安く、種類も多いため、幅広く選択できるメリットがあります。
例えば、シリコン塗料は比較的費用を抑えつつも耐久性があり、「とりあえず10年くらい持てばいいかな」という考えの人にぴったりです。フッ素塗料になると価格は上がりますが、そのぶん塗り替えの回数が減るので、最終的に費用を抑えたい人に向いています。
ただし、有機塗料は紫外線や熱で劣化しやすいため、定期的なメンテナンスは必要です。素材によって差はあるものの、10〜20年で再塗装が必要になるという前提で考えておきましょう。
無機塗料
無機塗料とは、ガラスやセラミックなどの無機物を主成分とした塗料のことで、紫外線や雨風の影響を受けにくく、高い耐久性を持つのが大きな特徴です。その耐用年数は約20年以上とされており、頻繁に塗り替えをしたくない人や、建物の劣化をできるだけ抑えたい人に向いています。
また、有機塗料と比べて価格が高めですが、カビやコケがつきにくく、汚れにも強いため、きれいな外観を保ちやすいというメリットもあります。掃除の手間を減らしたい方にとっても、嬉しい塗料といえるでしょう。
無機塗料は、光触媒塗料や、無機有機ハイブリッド塗料などの種類があります。有機塗料に比べ種類ごとの差が分かりにくいため、種類別ではなく無機塗料とまとめて表示されることが多くみられます。
無機塗料を検討してるものの、どの塗料を選べばよいか迷う場合には、希望する性能や予算をもとに施工業者と相談しながら進めると良いでしょう。
相場費用

種類 | 費用(30坪の場合) |
---|---|
無機塗料 | 約60万円〜100万円 |
有機塗料 | 約100万円〜160万円 |
有機塗料と無機塗料の費用には、おおよそ30万円〜40万円ほどの差があります。たとえば、同じ30坪の家に塗装する場合でも、有機塗料なら約60万〜100万円、無機塗料になると約100万〜160万円と、選ぶ塗料のグレードによって予算に大きな違いが出てきます。
このように、選ぶ塗料の種類によって予算には大きな開きがあるため、塗料選びは費用を考えるうえでも重要なポイントになります。
なお、これらの価格はあくまで一般的な相場であり、建物の形状や外壁の状態、施工面積によって変動することがあります。 まずは自宅の状況を踏まえたうえで、塗料の価格帯を大まかに知っておくと、見積もり比較の際に判断しやすくなるでしょう。
外壁塗装の種類と種類別参考費用
外壁塗装に使われる有機塗料には、種類と費用の目安があります。ここでは、主な塗料の種類と、おおよその相場価格を簡単にまとめます。
塗料の種類 | 相場費用(1㎡あたり) |
---|---|
アクリル塗料 | 約1000円〜1800円 |
ウレタン塗料 | 約1700円〜2500円 |
シリコン塗料 | 約2300円~3500円 |
フッ素塗料 | 約3500円~4800円 |
ラジカル塗料 | 約2500円~4500円 |
無機塗料 | 約3500円~5500円 |
※塗料の価格は、メーカーや製品グレード、地域や施工業者によっても変動します。実際の費用については、業者に見積もりをご依頼ください
アクリル塗料
アクリル塗料は、外壁塗装に使われる塗料の中でも1㎡あたり約1000円〜1800円と価格が非常に安く、コスト重視で選ばれることが多い塗料です。ただし耐久性はあまり高くなく、5〜7年程度で再塗装が必要になる場合もあるため、現在ではあまり使われなくなっています。
短期間だけ持てばいい、という一時的な塗装や、予算が限られている場合に検討されることが多い塗料です。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、柔軟性と密着性に優れた塗料で、木部や鉄部などにも使われる塗料です。費用も1㎡あたり約1700円〜2500円と比較的安く、外壁だけでなく雨どいやフェンスなどにも幅広く使われることがあります。耐用年数は約8~10年と中程度で、「価格と機能のバランスをとりたい人」に向いている塗料といえるでしょう。
シリコン塗料
シリコン塗料は、現在もっとも一般的に使われている塗料のひとつです。1㎡あたり約2300円~3500円と価格と耐久性のバランスが良く、耐用年数は10年程度とされています。
安定した性能と価格帯で、多くの施工業者でも取り扱いがあるため、選びやすい塗料といえるでしょう。
フッ素塗料
フッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分とする塗料で、建物の外観を長くきれいに保ちたいと考える人に選ばれることが多い塗料です。耐用年数は15〜20年とされており、長期間のメンテナンスが不要な点が大きな魅力といえるでしょう。
価格は1㎡あたり約3500円〜4800円ほどで、有機塗料の中では少し高めです。その分、紫外線や雨風に強く、色あせしにくいため、見た目の美しさを長く保ちたい住宅や、高層ビルなどで使用されています。
ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料は、新しいタイプの塗料です。外壁を劣化させる「ラジカル」という成分の発生を抑えるしくみがあるので、紫外線に強く、塗装が長持ちしやすいのが特徴です。
価格は1㎡あたり約2500円〜4500円ほどで、シリコン塗料と同じくらいか、少し高めの価格帯です。耐用年数は約12〜15年とされていて、なるべく長くきれいな状態を保ちたいけど、費用も抑えたいという人に選ばれることが増えています。
無機塗料
無機塗料とは、ガラスやセラミックなどの無機物を主成分とした塗料のことで、紫外線や雨風の影響を受けにくく、高い耐久性を持つのが大きな特徴です。その耐用年数は約20年以上とされており、頻繁に塗り替えをしたくない人や、建物の劣化をできるだけ抑えたい人に向いています。
また、有機塗料と比べて、1㎡あたり約3,500円〜5,500円と価格が高めですが、カビやコケがつきにくく、汚れにも強いため、きれいな外観を保ちやすいというメリットもあります。掃除の手間を減らしたい方にとっても、嬉しい塗料といえるでしょう。
無機塗料は、光触媒塗料や、無機有機ハイブリッド塗料などの種類があります。有機塗料に比べ種類ごとの差が分かりにくいため、種類別ではなく無機塗料とまとめて表示されることが多くみられます。
そのため、無機塗料を検討したいがどの塗料を選べばよいか迷う場合には、希望する性能や予算をもとに施工業者と相談しながら進めると良いでしょう。

外壁塗装のリフォームで後悔しない費用ポイント
外壁塗装は、見た目をきれいにするだけでなく、家を長く守るためにも大切な工事です。しかし、塗料の種類や施工内容によって費用が大きく変わるため、しっかりポイントを押さえておかないと、想定外の出費や仕上がりの不満につながることもあります。
ここでは、外壁塗装で後悔しないために確認しておきたい費用のポイントを紹介します。

- 希望と予算のバランス
- 見積もりの内訳をしっかり確認する
- 塗料の選び方
- 追加費用が発生する場合も想定する
- 業者選び
希望と予算のバランス
外壁塗装には、「とにかく費用を抑えたい」「見た目をおしゃれにしたい」「できるだけ長持ちする塗料を選びたい」など、さまざまな目的があります。理想を追い求めすぎると費用が膨らんでしまうため、あらかじめ「どこにこだわるか」を明確にして、希望と予算のバランスを取ることが大切です。
見積もりの内訳をしっかり確認する
見積もりをもらったら、総額だけで判断せず、内訳までしっかり確認しましょう。塗料代・足場代・高圧洗浄・下地処理・人件費など、どこにいくらかかっているかを把握しておくことで、「あとから追加費用が発生した」というトラブルを避けやすくなります。
塗料の選び方
外壁塗装の費用を大きく左右するのが、塗料の選び方です。塗料にはそれぞれ価格や耐久性に違いがあり、どれを選ぶかによって総額が数十万円単位で変わることもあります。
たとえば、「できるだけ費用を抑えたい」と考えている場合には、アクリル塗料が選ばれることがあります。初期費用が安く手軽に塗装できますが、耐久性が低いため、数年ごとの塗り替えが必要になる可能性があります。
一方で、「できるだけ長持ちさせたい」という人には、フッ素塗料や無機塗料などの高耐久な塗料が適しています。これらは初期費用が高めですが、15年以上もつものも多く、長い目で見ればコストを抑えることにつながります。
また、費用と性能のバランスを重視するなら、現在主流となっているシリコン塗料を選ぶケースが一般的です。ある程度の耐久性があり、価格も比較的おさえられるため、多くの住宅で採用されています。
このように、塗料はただ価格を見るのではなく、どれくらいの期間使えるのか、自分の希望と合っているかを踏まえて選ぶことが重要です。