TOP

記事一覧

外壁塗装の色選びで失敗しないための5つのコツ

2025年8月20日

外壁塗装の色選びで失敗しないための5つのコツ


家の印象を大きく左右する外壁の色選び。

塗装は一度施工すると簡単にはやり直せないため、多くの人が慎重に検討するポイントです。

しかし、「思っていた色と違った」「汚れが目立ちすぎる」「周囲の景観と合わなかった」といった失敗談も少なくありません。

こうした後悔を防ぐためには、色の見え方や特性、環境との相性を事前にしっかり理解しておくことが重要です。

本記事では、外壁塗装の色選びで失敗しないための5つのコツを紹介します。

これから外壁塗装を検討しているという方は、ぜひ本記事を参考にしてください。


家の『見た目』を左右する外壁塗装だからこそ、しっくりくる『色』を選びたい


Nさん

家の外壁を塗装して満足している点は、まず外観が大きく改善されたことです!
特に、外壁のひび割れや汚れが目立たなくなり、家全体が新しくて美しい印象に変わりました。家の外観が明るくてとても気に入り、帰るたびにほっとします。



色の見え方は時間帯・天候・光の角度で変わる

外壁の色は、同じ塗料を使用しても環境によって印象が大きく異なります。
屋外では太陽光の当たり方や天候の違いによって、色が明るく見えたり、暗く感じたりすることがあります。
特に、室内で選んだ色と実際に塗装した後の色が違って見えることはよくあるため、注意が必要です。
例えば、白やアイボリーなどの明るい色は、直射日光が当たるとさらに明るく感じられることが多いです。
一方で、グレーやネイビーなどの濃い色は、日陰や曇りの日には暗く沈んで見えることがあります。

時間帯による色の変化を考慮する

朝、昼、夕方では光の強さや角度が異なります。
日中は鮮やかに見える色も、夕方になるとくすんで見えたり、影の影響で暗く感じられることがあります。
施工後に後悔しないためにも、選んだ色のサンプルを異なる時間帯で確認することが大切です。

天候の違いが色の印象を左右する

晴れの日と曇りの日では、外壁の色の見え方に大きな違いがあります。
晴天時は色が鮮やかに映えますが、曇りの日にはトーンが落ちて地味に見えることがあります。
特に、淡い色ほど曇りの日にはぼやけた印象になりやすいため、天候による違いも考慮して色を選びましょう。

実際の環境で色見本を確認する

塗装業者から提供される色見本は、屋内の蛍光灯やLEDライトの下で見ると、実際とは異なる印象になります。
小さなサンプルだけでなく、大きめのサンプルを壁に貼って、太陽光の下で見比べるのが理想的です。
また、時間帯や天候を変えながら確認することで、より実際の仕上がりに近いイメージを持つことができます。


監修者:
一級建築士
商業施設士マイスター
小薗江正美

色は、面積が大きくなると明るい印象になります。小さな色見本で確認した時は落ち着いた色を選んだつもりでも、大きな外壁面になると色の印象が明るくなりますので、こちらも注意が必要です。

  • 外壁塗装の色選びが得意な
    \ 施工会社を探したい!/

汚れが目立ちにくい色を選ぶ

外壁は日々、風雨やホコリ、排気ガスにさらされるため、時間が経つにつれて汚れが蓄積します。
色選びの際には、見た目の美しさだけでなく、汚れの目立ちにくさも考慮することが重要です。
特に、都市部や沿岸部では、車の排気ガスや塩害による汚れが付きやすく、郊外や山間部では土埃や苔が発生しやすい環境になります。
それぞれの地域に適した色を選ぶことで、メンテナンスの手間を減らすことができます。

汚れが目立ちやすい色と目立ちにくい色


白やクリーム系の明るい色は、雨だれや排気ガスの汚れが目立ちやすいです。
一方で、黒や濃いグレーはチョーキング現象(塗料の劣化によって粉を吹く現象)が起こりやすく、手で触ると白っぽい粉のように見えることがあります。
よって、汚れの目立ちにくさを考えると、ベージュ、ライトグレー、オフホワイトなどの中間色が無難です。

低汚染塗料を活用する

最近では、雨水で汚れを落とす「低汚染塗料」や「セルフクリーニング機能付き塗料」が登場しています。
これらを選ぶことで、汚れの付着を防ぎ、美しい外壁を長持ちさせることが可能です。
このような機能付きの塗料の選択肢も視野に入れながら、色を決めると良いでしょう。

立地環境に応じた色の選び方


住宅が密集した都市部では、グレーやブラウン系が汚れに強く、沿岸部では白や淡いブルーが適していることが多いです。
地域の特性を考えながら色を選ぶことで、外壁の美しさを長く保つことができます。

  • 外壁塗装の色選びが得意な
    \ 施工会社を探したい!/

周囲の景観や近隣の家と調和させる

外壁塗装の色を選ぶ際、自分の好みだけで決めてしまうと、周囲の住宅と違和感が生じることがあります。
特に住宅街では、近隣との調和を考えずに派手な色を選ぶと、周りの家の中で浮いてしまったり、場合によってはクレームにつながることもあります。
せっかくの外壁塗装が近隣とのトラブルの原因にならないよう、地域の景観に馴染む色を選ぶことが大切です。

周囲の住宅の色とバランスを考える

近隣の家の色を観察し、自分の家と調和する色を選ぶことが重要です。
例えば、周囲の家がベージュやグレー系で統一されている中で、鮮やかなブルーや赤を選ぶと、目立ちすぎてしまいます。
反対に、地域全体がカラフルな暖色系の色を多用している場合に、落ち着いた黒・グレー系などの色を選ぶと浮いてしまうことがあります。


監修者:
一級建築士
商業施設士マイスター
小薗江正美

周囲の家が落ち着いた色で統一されているのに、どうしてもカラフルな色を採用したい。
そんな時は、「色の明度(色の明るさ)」や「彩度(色の鮮やかさ)」「トーン(明度と彩度の比率をそろえた色の調子)」などを工夫して、周囲と馴染む色にすることも可能です。

景観ガイドラインを確認する

一部の地域では、景観保護のために建物の外観や色彩に規制が設けられていることがあります。
特に、歴史的建造物が多い地域や高級住宅街では、派手な色の使用が禁止されている場合も少なくありません。
塗装を始める前に、自治体のガイドラインを確認しておくと安心です。

自然環境との調和を意識する

都市部や住宅街だけでなく、自然に囲まれた環境では、その土地の雰囲気に合った色を選ぶことで、景観を美しく保つことができます。
例えば、森に近いエリアではアースカラー(ブラウン、グリーンなど)が馴染みやすく、海沿いの住宅ではホワイトやライトブルーなどが爽やかな印象を与えます。

  • 外壁塗装の色選びが得意な
    \ 施工会社を探したい!/

外壁の色は家のイメージを左右する

外壁の色は、家全体の雰囲気を大きく決定づける要素です。
選ぶ色によって、モダンな印象になったり、落ち着いた雰囲気になったりと、住まいの印象が大きく変わります。
自分の理想とする家のイメージに合った色を選ぶことが重要です。

リフォームの色選びポイントは他にも?経験者に聞きました


Nさん

リフォームする時はピンク色がすきでした。当時は良かれと思ってピンクにしましたが、今はあまり好きな色ではありません。確かに張り替えればいいですが、コストがかかります。選ぶときは、長期に渡り、飽きたり嫌になったりしない色やデザインを選んだ方がいいと学びました。

色の持つイメージを知る


色にはそれぞれ異なる心理的な効果があります。
例えば、白やアイボリーは清潔感があり、上品な印象を与え、グレーやネイビーは洗練されたモダンな雰囲気を作り出します。
一方、ベージュやブラウン系は自然な温かみを感じさせ、黒やダークグレーは高級感を演出します。
自分がどのような家にしたいのかを考え、適した色を選ぶことが大切です。

屋根や玄関とのバランスも考慮する

外壁の色だけでなく、屋根や玄関ドアの色とのバランスも考慮することで、家全体の統一感が生まれます。
例えば、黒い屋根に白い外壁を組み合わせるとシンプルで洗練された印象に、ブラウン系の屋根にベージュの外壁を組み合わせるとナチュラルで落ち着いた雰囲気になります。

色の組み合わせに注意する

単色だけでなく、ツートンカラーを採用することもできますが、色の組み合わせによってはバランスが悪くなることもあります。
例えば、補色(赤と緑など)を組み合わせると派手すぎる印象になりやすいため、落ち着いたトーンの色を選ぶのがポイントです。


監修者:
一級建築士
商業施設士マイスター
小薗江正美

ツートンカラーを採用する場合、2色の配色割合をベースカラー70%、アクセントカラーを30%程度にするとバランスが良いイメージになります。
また、濃い色と薄い色を合わせる際に、低い位置(1階など)に濃い色、高い位置(2階など)に薄い色を配色すると全体的に締まった印象になります。

  • 外壁塗装の色選びが得意な
    \ 施工会社を探したい!/

色あせ・劣化しにくいカラーを選ぶ

外壁塗装は年月が経つにつれて劣化していきますが、選ぶ色によっては劣化のスピードが大きく異なります。
特に、紫外線の影響を受けやすい色は色あせしやすく、長期間美観を維持するためには慎重に選ぶ必要があります。

色あせしやすい色としにくい色


一般的に、濃い色(黒、赤、ネイビーなど)は紫外線の影響を受けやすく、経年劣化によって色あせが目立ちやすいです。
一方で、白やベージュ、グレーといった淡い色は色あせしにくく、長期間きれいな状態を保ちやすい傾向があります。

耐候性の高い塗料を選ぶ

塗料の種類によっても色あせのしやすさが異なります。
アクリル塗料は比較的安価ですが、耐久性が低く色あせしやすいです。
一方、フッ素塗料やシリコン塗料は耐久性が高く、色持ちが良いことで知られています。

紫外線対策を施す

紫外線に強いトップコートを使用することで、外壁の色あせを防ぐことができます。
特に、日当たりの良い場所に建っている家では、UVカット機能を持つ塗料を選ぶことで、色の持ちが格段に良くなります。


家は大切な財産。見えない対策も大事?


Nさん

オプションで防水加工や防腐処理をしてもらいました。これからの雨風や紫外線に対しても強くなり、長期的にみれば家の劣化を防いで今後のためにも経済的だと思います。


まとめ: 外壁塗装の色選びで後悔しないために

外壁塗装の色選びは、見た目だけでなく、長期的なメンテナンスや環境との調和も考慮する必要があります。


以下に、本記事でご紹介したポイントをまとめました。


  • 色の見え方は、時間帯や天候によって変化する
  • 汚れが目立ちにくい色を選ぶことで、メンテナンスの負担が減る
  • 近隣の住宅や景観とのバランスを考慮する
  • 色の持つイメージや、家全体の統一感を意識する
  • 色あせやすさを考え、耐久性の高い塗料を選ぶ

塗装後に後悔しないためにも、事前にシミュレーションを行い、時間をかけて慎重に選ぶことが大切です。

最適な色を選び、理想の住まいを実現しましょう。


監修者:
一級建築士
商業施設士マイスター
小薗江正美

外壁の色は、建物の印象を大きく左右する重要なポイント。だからこそ、色選びは慎重にならざるを得ません。しかし、いくら机上で色見本を見ても、なかなか色の決定には至らないものです。仮に決めたとしても、家族の同意が得られない、なんてことも。
そんな時、家族みんなで街を歩きながら実際の建物を観ると、こんな感じが良いとかあの色は良いなどイメージが湧いて、考えがまとまりやすいと思います。
色のイメージをある程度絞り込んだら、A3〜A2サイズくらいの板にその色を塗装会社に塗ってもらい、実際の建物の外壁に置いて比較すると、納得できる色に出会えると思います。

  • 外壁塗装の色選びが得意な
    \ 施工会社を探したい!/

監修者プロフィール

小薗江 正美 ARTIS COURT LLC / アルティスコート合同会社代表 資格: 一級建築士、商業施設士マイスター
こんにちは、小薗江と申します。一級建築士として様々な建築プロジェクトを経験しましたが、古いものを壊して新しく建て替えるのではなく、『その建物の歴史を大事に上手に長期で使用できる設計』をモットーとしています。住宅は人々が安心して安全に、そして生活スタイルに合わせて変化できるものでなければなりません。そのためのお手伝いをさせていただきたいと思います。週末は、ランニングにゴルフ、最近は登山にハマっています。

大学卒業後、建築設計事務所、商業施設開発コンサルティング会社、外資系ファッションブランドのストアデザイン部門の責任者を歴任、現在は大手建築設計会社に在籍しながら個人で設立した会社にて、住宅のリフォームやステージング、空き家再生などに取り組む。