ガルバリウム屋根とは何か?基本的な特徴と仕組み

屋根材には実にさまざまな種類がありますが、ガルバリウム鋼板はその中でも「金属系屋根材」の一種に分類されます。アルミニウム・亜鉛・シリコンを主成分とする合金メッキを施した鋼板です。
1970年代にアメリカで開発され、日本でも1990年代以降、徐々に採用が増えてきた実績ある屋根材です。
ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板は、「55%アルミニウム」「43.4%亜鉛」「1.6%シリコン」から成る、メッキ層を持つ鋼板です。亜鉛が鉄を保護し、アルミニウムがメッキ層の腐食を抑えるという特性を併せ持っています。
そのため、従来のトタン屋根に比べて3〜6倍もの耐食性があると言われています。

また、表面には特殊な塗装が施されており、金属でありながら艶消し調やマット仕上げなど、さまざまなデザイン性を持たせることも可能です。一見すると金属屋根とは思えないほど洗練された外観になるため、現代の住宅デザインとも相性が良いのが特徴です。

素材構造と従来屋根材との違い
ガルバリウム屋根は、基本的に「鋼板+メッキ層+塗装層」の三層構造で構成されており、軽量でありながらも十分な強度を保ち、かつサビにも強いという特性を実現しています。
対して、瓦屋根は耐熱性・耐久性に優れるものの、非常に重く、建物の構造にかかる負荷も大きくなります。
また、スレート屋根は比較的軽量で施工しやすい一方で、表面が割れやすく、定期的な塗装メンテナンスが必須です。
これらと比較すると、ガルバリウム鋼板は軽くて錆びにくく、長持ちしやすいことからも、バランスに優れた屋根材として選ばれるようになっています。
どんな家に適しているのか?
ガルバリウム屋根は、その軽さと防錆性を活かし、さまざまな住宅に適応できます。特に、以下のようなケースにおすすめです。
- 築20〜30年で屋根の葺き替えを検討している住宅
- 瓦屋根から軽量素材へ変更し、耐震性を高めたい場合
- シンプルモダンや北欧風など、外観デザインにこだわりたい住宅
また、カバー工法にも対応可能で、既存の屋根材を撤去せずに施工できる点も利便性の高さのひとつです。

ただし、すでに屋根下地に腐食や雨漏りがある場合は、適切な下地補修が必要となるため、事前の調査が重要です。

監修者:
一級建築士
白井 純平
「Galvanized Steel(ガルバナイズド・スチール)」を日本語に直訳すると「亜鉛メッキされた鉄」という意味になります。鉄の弱点であるサビへの耐性を高めるために、表面に溶融亜鉛をコーティングした鋼材のことを指します。
その進化系とも言えるのが「ガルバリウム鋼板」です。亜鉛に加えてアルミニウムを含み、両者の特性を併せ持っているのが特徴です。具体的には、優れた耐食性(サビにくさ)、耐熱性、熱反射性を兼ね備えており、屋根材として高い評価を受けています。
さらに現在では、六価クロムを使用しないクロメートフリー素材のみが使われており、環境や人体への安全性も高い材料とされています。住宅のリフォームにおいても、ガルバリウム鋼板は安心して使える素材のひとつです。
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【六価クロムとは?】
六価クロムとは、金属クロムが特定の化学状態になったもので、防錆や耐久性を高める目的で、
かつて金属メッキや表面処理に使用されてきた物質です。
しかし、人体や環境への有害性が指摘されており、現在では住宅建材分野において
六価クロムを使用しない「クロメートフリー」素材への切り替えが進んでいます。
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ガルバリウム屋根のメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板が選ばれる理由は単なる流行ではなく、明確なメリットがあるからですが、同時に注意しておきたいデメリットも存在します。
ここではその両面を正しく理解し、納得のいく屋根リフォーム判断につなげていただけるよう詳しく解説します。
軽量で耐震性に優れる
ガルバリウム屋根の大きな特徴のひとつは、非常に軽量であることです。瓦屋根が1平方メートルあたり約40kgの重さがあるのに対し、ガルバリウム鋼板はその約6分の1、わずか約5〜7kg程度です。
瓦屋根に比べて建物の構造にかかる負担が大幅に軽減されるため、相対的に耐震性の向上につながります。
特に築年数が経った木造住宅では、屋根材をガルバリウムに変えることで、耐震補強の効果も期待できるでしょう。
錆びにくく耐久性が高い
ガルバリウム鋼板は、亜鉛とアルミの複合メッキによって非常に錆びにくく、トタンやスチールに比べて3〜6倍の耐食性を持ちます。そのため、沿岸地域や雨が多いエリアでも比較的長く美観と機能を保ちやすいのが魅力です。
適切な施工と定期点検を前提にすれば、20〜30年以上の耐用年数を見込めるため、将来的なメンテナンスコストも抑えられる傾向があります。
断熱・防音性能の実態
「金属製の屋根は熱を持ちやすく、雨音もうるさいのでは?」と懸念される方もいます。たしかに、トタン屋根のように断熱性・遮音性に劣るイメージがありますが、現在のガルバリウム屋根は高機能な断熱材や遮音材を併用することで、この弱点をカバーしています。
屋根材の裏側に断熱材が一体化されたタイプや、通気層を確保する工法を取り入れることで、夏場の熱こもりや雨音の響きを和らげることが可能です。施工時には、こうした副資材をどう活用するかでも快適性は大きく変わってきます。
デメリット|遮音性や表面温度の上昇
一方で、断熱材を使わずに安価なガルバリウム屋根を設置した場合は、雨音が響きやすい・夏に屋根表面が高温になりやすいという金属特有のデメリットが顕在化します。特に屋根裏断熱が弱い古い住宅では、室温の上昇につながる恐れもあります。
また、強風や雹(ひょう)などで表面が凹んだり傷ついたりする可能性もあり、美観に影響が出るケースもあるでしょう。これらは素材の欠点というより、「適切な施工かどうか」「遮熱・遮音処理がされているか」に大きく依存する要素です。
つまりは、ガルバリウムの性能を活かすには施工業者の知識と技術が非常に重要なのです。
定期的な塗装やメンテナンスの必要性
ガルバリウム鋼板は錆びにくいとはいえ、完全なメンテナンスフリーではありません。表面の塗膜は、紫外線や風雨の影響を長年受けることで劣化していきます。
塗膜が劣化すると防錆性能も低下し、最終的には腐食のリスクも高まるため、15〜20年を目安に再塗装を検討することが望ましいとされています。

監修者:
一級建築士
白井 純平
ガルバリウム鋼板屋根の大きな特長のひとつが、「軽い」ということです。たとえば、もともと瓦屋根だったお家をガルバリウム鋼板の屋根にリフォームすると、屋根の重さがぐっと軽くなります。地震のときに建物にかかる負担も減るので、耐震性の面でプラスになると考えられています。こうした理由から、古い瓦屋根の家を耐震目的でガルバリウム鋼板に替えるケースもあります。
ただし、瓦を撤去して処分する費用がかかるため、想定よりも工事費が高くなることもあります。そのため、「軽くて地震に強いから」とすぐに決めるのではなく、コストや家全体のバランスもふまえて、最適な屋根材を選ぶことが大切です。
リフォームの目的やご予算に合わせて、信頼できる専門家に相談しながら進めるのが安心です。
よって、メンテナンスの手間と費用を想定し、最初の見積もりの時点で将来的にかかる維持コストまで把握しておくことが望ましいです。
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ガルバリウム屋根の費用相場と内訳
ガルバリウム屋根にリフォームする際、もっとも気になるのが「どのくらいの費用がかかるのか」という点です。一口にガルバリウム屋根といっても、葺き替え工事なのか、カバー工法なのか、あるいは断熱材の有無など、条件によって金額は大きく異なります。この章では、ガルバリウム屋根の費用の目安と内訳の詳細を解説していきます。
施工面積ごとの目安価格(30坪・40坪など)
一般的な戸建住宅(2階建て・30〜40坪)の屋根をガルバリウム鋼板で施工する場合、費用相場はおおよそ100万〜200万円前後とされています。ただし、これはあくまで相場であり、実際の金額は以下のような条件によって変動します。
たとえば、既存の屋根の上から新たに覆うカバー工法であれば、撤去作業や廃材処分が不要なため、コストは抑えられます。一方、既存の屋根材を撤去して新たに葺き替える場合は、手間も工期も増えるため、その分高額になります。
また、屋根の勾配(傾斜角度)が急な場合や、複雑な形状の屋根では、安全対策や施工労力の分だけ費用が上がる傾向があります。
本体価格・工賃・足場代などの内訳
見積書を確認すると、「思ったより高いな」と感じる方も多いかもしれません。しかし、そこには材料費だけでなく、さまざまな項目が含まれています。
まず、ガルバリウム鋼板の材料費は、屋根1平方メートルあたり5,000〜8,000円前後が目安で、厚みや表面処理、断熱材の有無によって上下します。次に、施工費(人件費)が加算されます。
施工費には職人の手間賃だけでなく、安全確保のための仮設費用や、複雑な作業工程への対応費も含まれています。そして見落とされがちなのが、足場代です。
屋根工事には必ず足場の設置が必要となり、これだけで10万円〜20万円ほどかかる場合もあります。さらに、廃材処理費や清掃費、養生費など、付帯費用も積み重なって最終的な金額に反映されます。
葺き替えとカバー工法の費用差
屋根リフォームには大きく分けて2種類の工法があります。ひとつは、既存の屋根材を撤去してから新たに葺き直す「葺き替え工法」、もうひとつは、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねる「カバー工法(重ね葺き)」です。
ガルバリウム鋼板は軽量なため、カバー工法との相性が非常に良く、スレート屋根や古いトタン屋根によく用いられます。カバー工法であれば、撤去費用や処分費用が不要となるため、全体の工事費を10万〜30万円程度安く抑えられる場合があります。
ただし、下地が腐食していたり、雨漏り跡があったりする場合はカバー工法が適さないため、事前の点検が重要です。一方で葺き替え工法は、下地の修復や防水シートの交換も可能となるため、より本格的なリフォームとして高い耐久性が期待できます。
価格は上がるものの、長期的に見て安心感の高いリフォームです。
工期とその影響コスト
費用の見積もりにおいて意外と見逃されがちなのが、工期に伴うコストです。一般的に、ガルバリウム屋根のカバー工法であれば4日〜7日程度、葺き替え工法では7日〜10日以上かかることが多くなります。
工期が長くなると、その分人件費や足場使用料が加算されるため、費用にも影響が出てきます。また、天候不良によって工事が中断した場合も、予定より長引くことがあります。
そのため、見積もりを比較する際は、工期の想定日数とその内訳についても確認することが大切です。費用面でも工期は短い方が望ましいですが、早さだけで選ぶのではなく、適切な工期をかけて丁寧な施工がされるかどうかを見極める姿勢が求められます。

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一級建築士
白井 純平
屋根から雨漏りが起きている状態では注意が必要です。雨水がしみ込んだことで、屋根の下地(野地板)が傷んでいる可能性があるからです。特に、雨漏りを長期間放置してしまった場合には、まず屋根全体を点検することが大切です。
可能であれば、天井裏から確認したり、屋根をめくって葺き替えるタイミングで、下地の状態をしっかりチェックすることをおすすめします。また、古い住宅では、現在のような透湿防水シートではなく、「防水紙」と呼ばれる昔ながらの材料が使われていることもあります。
この防水紙は、現代の材料と比べて防水性が劣るため、雨水が内部に入りやすくなってしまいます。現在の工法では、屋根材の下にさらに高性能な防水層を設けることで、二重三重の雨対策が行われています。
屋根の工事をする際には、こうした現代的な防水方法への切り替えもあわせて検討することで、より安心できる住まいにつながります。
他の屋根材との比較
屋根材にどの素材を選択するかで、家の耐久性や快適性が大きく左右されます。ガルバリウム鋼板が優れているといっても、他の素材と比較しなければ、その価値は見えてきません。
ここでは、スレート・トタン・瓦といった代表的な屋根材とガルバリウムの違いを整理しながら、それぞれの特徴を明確にしていきます。
スレート屋根との違い
スレート屋根(化粧スレートやカラーベストとも呼ばれる)は、日本の住宅で最も普及している屋根材のひとつです。セメントを薄く成形し、表面に塗装を施したもので、見た目がシンプルで価格も比較的安価なため、コスト重視の住宅に多く使われています。
ただし、スレートは表面の塗装が数年で劣化しやすく、10年程度で再塗装が必要です。また、経年劣化で割れやすくなり、台風や地震の際に破損するリスクも高まります。
一方のガルバリウム鋼板は、スレートに比べて軽量かつ強靭であり、メンテナンスサイクルも長くなります。初期費用は若干高くなる傾向がありますが、長期的な維持コストで見ると有利です。
トタン屋根との違い
トタンは、かつては安価で施工しやすい金属屋根材として多く用いられてきました。しかし、鉄に亜鉛メッキを施しただけの構造のため、錆びやすく、耐用年数が10年〜15年程度と短いのが弱点です。
ガルバリウム鋼板は、トタンの後継素材ともいえる存在であり、アルミニウムの効果によって格段に錆びにくく、耐久性も向上しています。また、見た目の高級感やカラーの選択肢も豊富で、現在ではトタン屋根からガルバリウムに葺き替えるリフォームが多く見られます。
トタンに比べて初期費用は高いですが、耐久性・美観・メンテナンス性の面で大きな差があり、性能重視の方にとっては優れた選択肢です。
瓦屋根との違い
瓦屋根は、日本の伝統的な住宅に多く見られる屋根材で、耐火性や耐久性、断熱性に優れているのが特徴です。陶器瓦であれば50年〜100年の耐久性も期待でき、非常に長寿命な素材といえます。

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一級建築士
白井 純平
しかし、その分重量が重く、耐震設計における強度基準が要求されます。
構造体(建物の骨組み)とのバランスが重要
となります。
また、複雑な屋根形状の屋根では施工性に難があり、地震でずれたり落下したりすることの要因になる可能性があります。
ガルバリウム鋼板は、瓦のような重厚感はありませんが、軽さと耐震性を優先したい場合には非常に理にかなった素材です。また、現代的なデザイン住宅やシンプルモダンな外観には、瓦よりもマッチしやすい傾向があります。
結局どれが最適か?
屋根材にはそれぞれの長所と短所があり、正解と言えるような絶対的な選択肢は存在しません。しかし、軽量・高耐久・メンテナンスのしやすさ・コストバランスといった観点で比較すると、ガルバリウム屋根は非常にバランスの取れた素材です。
| 比較項目 |
ガルバリウム |
スレート |
トタン |
瓦 |
| 重さ |
◎ 非常に軽い |
〇 軽め |
◎ 軽い |
▲ とても重い |
| 耐久性 |
〇 20〜30年 |
▲ 10〜15年 |
▲ 10〜15年 |
◎ 50年以上 |
| メンテナンス性 |
〇 塗装は必要 |
▲ 再塗装頻繁 |
▲ 錆びやすい |
◎ 点検中心 |
| デザイン性 |
◎ 万能 |
▲ 商品による |
▲ 商品による |
〇 和風向き |
| 初期コスト |
〇 中程度 |
◎ 安価 |
◎ 非常に安い |
▲ 高額 |
特に、築20年以上の戸建て住宅で「今後数十年は安心して住み続けたい」という方には、屋根リフォームの選択肢として非常に有力といえるでしょう。その一方で、和風住宅の外観を重視する方や、断熱性を最優先したい地域では、他の屋根材が適している場合もあります。
屋根は一度施工すると簡単には交換できないため、単なる価格比較ではなく、住まい全体の性能や将来性も見据えて選ぶことが大切です。

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一級建築士
白井 純平
ガルバリウム鋼板の屋根には、大きく分けて「横葺き(よこぶき)」と「縦葺き(たてぶき)」の2種類のデザインがあります。これは名前の通り、屋根材を横方向に貼るか、縦方向に貼るかという違いで、見た目や印象が大きく変わります。
たとえば「横葺き」は、瓦屋根のような雰囲気に近く、少し高級感のある仕上がりに感じる人が多いです。施工手間がかかることもあり、縦葺きより少し費用が高くなる傾向があります。一方で「縦葺き」は、直線的ですっきりとした印象があります。比較的シンプルな工法のため、コストも抑えやすいというメリットもあります。
ガルバリウム鋼板の屋根を検討する際は、まずこの「横葺き」と「縦葺き」どちらのデザインが家に合いそうかをイメージしてみると、選びやすくなりますよ
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ガルバリウム屋根の耐久年数とメンテナンス
屋根材選びで重要視されるのが、「どれくらい長持ちするのか」という点です。ガルバリウム屋根は高い耐久性を持つことで知られていますが、全く手入れが不要というわけではありません。
この章では、耐用年数の目安と、適切なメンテナンス方法について詳しくご紹介します。
ガルバリウムは何年持つのか?期待耐用年数は?
ガルバリウム鋼板は素材自体の耐食性能が高く、酸性雨や湿気による腐食に強い屋根材です。塗装保護を施すことで、耐用年数は、おおむね20年〜30年とされています。

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一級建築士
白井 純平
厳密なことをいうと、ガルバリウム鋼板屋根のメッキはメッキ層が薄いため、塗装で被膜保護している要素が大きいです。ガルバリウム鋼板屋根と言われているものは①塗膜損傷、②メッキ消耗③素地の腐食という順番で痛んでいきます。
極論いえばガルバリウム鋼板で製造されているトタン屋根と表面強度は商品の構成厚みを除くとほぼ近似しています。
ただし、これはあくまで理想的な条件下での年数であり、実際の寿命は立地や施工精度によって左右されます。たとえば、塩害の影響を受けやすい沿岸地域や、豪雪地帯などでは、想定よりも早く劣化が進行することがあります。
反対に、都市部の住宅密集地で風雨の影響を受けにくい立地であれば、30年を超えても大きな問題が現れないケースもあります。非常に耐用年数の長い素材ですが、いずれにしても、定期点検と早期対応が長寿命化の鍵となることは間違いありません。
メンテナンス頻度とその内容
ガルバリウム屋根は、他の素材と比べてメンテナンスの頻度が少なくて済むというメリットがあります。ただし、全くの放置は禁物です。
屋根の表面は、紫外線や風雨によって徐々に塗膜が劣化していくため、10年〜15年を目安に点検し、異常があれば早めに対処することが重要です。とくに、塗膜の剥がれや変色、小さな傷の発生は、錆や腐食の前兆となるため、必要に応じて塗装の塗り直しを検討しましょう。
また、屋根のつなぎ目や板金部にはシーリング材(防水処理)が施されていますが、このシーリング材も経年劣化するため、15年〜20年に一度は打ち直しが必要です。万が一放置しておくと、そこから水が侵入し、野地板の腐食や雨漏りを誘発する原因になります。
塗装の必要性とタイミング
「金属屋根は塗装しなくても良いのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、それは誤解です。ガルバリウム鋼板は、たしかにトタンよりも錆びにくい素材ですが、表面の塗膜が紫外線や雨風にさらされ続けることで防錆性能は低下していきます。
塗膜の寿命は、おおよそ15〜20年程度とされており、それを過ぎると色あせ・粉吹き・剥がれなどの現象が起こります。放置しておくと鋼板本体まで腐食が進行するため、再塗装による保護が必要になります。
また、塗装を行う際は、使用する塗料の種類にも注意が必要です。安価なアクリル塗料では耐久年数が短いため、ウレタン系やフッ素系など、耐候性の高い塗料を選ぶことが推奨されます。さらに、塗装工事の際には高圧洗浄や下地処理を丁寧に行い、塗膜がしっかりと密着するような工程が求められます。
このように、ガルバリウム屋根は確かに高耐久でメンテナンスの手間が少ない屋根材ですが、完全にメンテナンス不要というわけではありません。「耐久性に優れるからこそ、正しい維持管理が必要」という認識を持つことが、長く快適に住み続ける秘訣といえるでしょう。

監修者:
一級建築士
白井 純平
一般的なガルバリウム鋼板屋根は、素材となる鋼板の表面に塗膜処理(塗装仕上げ)を施すことで、「色味」と「さらなる耐久性」を加えています。ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンスはこの塗膜を守ることを意味してます。
現在流通している多くの製品では、この塗膜が丁寧に施されており、塗膜の変褪色やサビによる穴あきに対して、15年〜20年の製品保証が付いていることも。こうした保証は、ガルバリウム鋼板屋根を選ぶ上での安心材料といえます。
また、断熱材があらかじめ裏面に貼り付けられたユニット型の商品をガルバリウム鋼板屋根と呼ぶ工務店が多く、屋根裏に熱がこもるのを抑える効果があり、夏場の室内温度上昇を抑えるなど、快適な住環境づくりにも貢献します。
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ガルバリウム屋根のよくある誤解と真実
ガルバリウム屋根は高性能な屋根材として注目を集めていますが、その一方で誤解や先入観によって敬遠されてしまうこともあります。ここでは、よくある誤解を取り上げながら、それらが事実かどうかを明らかにしていきます。
「ガルバリウムはうるさい?」の真偽
ガルバリウム屋根は「雨が降ると音がバンバン響いて眠れない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは確かに、初期の金属屋根(特にトタン)でよく見られた問題ですが、現在のガルバリウム鋼板では事情が異なります。
現代のガルバリウム屋根は、屋根材の裏に防音材や断熱材を一体化させた製品が多く出回っており、雨音を吸収・緩和する構造になっています。また、施工方法も進化しており、屋根と野地板の間に空気層を設けて音を逃がす工法も一般的になっています。
したがって、「ガルバリウムはうるさい」という印象は、過去の事例や不適切な施工に由来するものであり、正しく施工された現代のガルバリウム屋根であれば、日常生活に支障が出るほどの騒音は基本的にありません。
「ガルバリウムは暑い?」夏の室温への影響
金属製であるがゆえに、「夏は屋根が焼けて室内が暑くなるのでは?」と心配される方も少なくありません。実際、金属は熱を吸収しやすい素材であり、表面温度は真夏の日中に60〜70℃以上に達することもあります。
しかし、これは屋根の表面温度の話であり、必ずしも室内温度に直結するわけではありません。屋根裏にしっかりとした断熱材を入れたり、遮熱塗料を使用したりすることで、熱の伝わり方は大きく緩和されます。
また、通気層の確保や換気棟の設置によって、こもった熱気を効率よく排出する仕組みを採用することもできます。つまり、「暑くなる」という問題も、設計と施工次第で十分に対処可能なのです。
「ガルバリウムは錆びない?」正しい理解
「ガルバリウム鋼板=錆びない」と思っている方も多いですが、これは厳密には誤りです。ガルバリウムはたしかに錆びにくい素材ですが、完全に錆びないわけではありません。
端部(切断面)やキズがついた箇所はメッキが十分に保護しきれない場合があり、そこから腐食が始まるリスクがあります。特に、沿岸地域や積雪地帯では、塩分や融雪剤によって劣化が早まることもあります。
そのため、ガルバリウム屋根であっても、定期点検や塗膜の保護が必要です。施工後のメンテナンスを怠ると、どんな素材であっても劣化は避けられません。
まれに見かける「メンテナンス不要」は誇張された宣伝文句である場合が多いため、冷静に判断することが大切です。以上のように、ガルバリウム屋根に関する誤解は少なくありませんが、その多くは古い情報や不十分な施工が原因です。
素材そのものの性能は非常に優れており、正しく扱えば長期間安心して使える屋根材であることは間違いありません。

監修者:
一級建築士
白井 純平
ガルバリウム鋼板の屋根について、「音がうるさいのでは?」「夏は熱くなるのでは?」といった声を聞くことがあります。たしかに、そうした感じ方は人それぞれで、「絶対に気にならない」とは言い切れません。しかし、実際に工事された方でそうした点を気にされるケースは、あまり多くありません。
金属の屋根と聞くと、昔ながらのトタン屋根を思い浮かべる方も多いかもしれません。トタン屋根というと、サビが出て傷んでしまったような印象を持つ方もいるかもしれませんが、最近の金属屋根は見た目も性能も大きく進化しています。
実際に、周りの住宅をよく見てみると、金属屋根を採用しているお家はかなり多く、ガルバリウム鋼板の屋根も一般的になってきています。ちなみに、トタン屋根も広い意味でガルバリウム鋼板です。そのため「ガルバリウム=昔のトタン」と思われてしまうことがありますが、これは少し誤解です。この記事でご紹介しているのは、表面に塗装が施され、断熱材も含まれた高性能なガルバリウム鋼板の屋根材を想定しています。そのため、材料から昔のトタン屋根と連想せず、まったく別のものとして考えていただいて大丈夫です。
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施工業者を選ぶ際のチェックポイント
ガルバリウム屋根は、素材自体が優れていても施工の質次第で性能が大きく左右される屋根材です。
せっかく高性能な材料を使っても、施工ミスや不適切な処理があると、雨漏りや早期劣化を招いてしまいます。
そこで、この章では、信頼できる施工業者を選ぶために確認すべきポイントを解説します。
保証内容・施工実績の確認
まず確認しておきたいのは、施工後の保証制度が整っているかどうかです。
「10年保証」などの記載があるか、万が一不具合が発生した際にどのような対応をしてくれるのか、契約前に具体的に確認しておきましょう。
また、業者の過去の施工実績も重要な判断材料です。
ガルバリウム屋根の施工経験が豊富か、過去にどのような住宅に対応してきたかなど、具体的な事例や写真付きの紹介があると安心です。
施工実績が多ければ、さまざまな屋根の形状や現場状況に対応できる柔軟性も期待できます。
加えて、加盟している団体や工事保険への加入状況も確認しておくと、トラブル時の対応力が見えてきます。
見積書の内訳に注意する点
見積書を受け取ったとき、「一式」という言葉が多用されていないかを確認することが大切です。「屋根工事一式:150万円」とだけ記載されている場合、具体的にどのような作業や材料が含まれているのかが不明確になり、後々のトラブルにつながる可能性があります。
悪質な業者であれば、本来は必要のない工事を見積もり内容に含めていることも考えられます。良心的な業者であれば、下記のような項目を細かく明記した見積書を提示してくれるはずです。
- 屋根材費
- 防水シート費用
- 足場設置費用
- 撤去・廃材処理費用
- 下地補修費
- シーリング工事
などを細かく明記した見積書を提示してくれるはずです。
また、複数の業者から相見積もりを取り、金額だけでなく明細の透明性や説明の丁寧さを比較することもポイントです。説明が曖昧だったり、質問に対して明確な返答がない業者は避けた方が無難です。
格安業者のリスクと適正価格の見極め
インターネットやチラシ広告などで「今だけ大幅割引」「屋根工事一律80万円」など、魅力的に見える格安プランを提示する業者も存在します。しかし、相場を大きく下回る価格には必ず理由があります。
たとえば、使用する屋根材のグレードが極端に低い、下地補修や防水処理が不十分、経験の浅い職人が施工しているなど、見えない部分で品質を下げている可能性があります。最悪の場合、数年で雨漏りや錆が発生し、最終的に高額な修繕費がかかることもあるため注意が必要です。
反対に、相場より高すぎる見積もりにも注意しましょう。適正価格を見極めるには、地域の相場感や工法の違いを理解したうえで比較することが重要です。
価格だけで判断するのではなく、対応の丁寧さ、説明の分かりやすさ、アフターサービスの充実度など、総合的な信頼性で判断することが、満足度の高いリフォームにつながります。
どの業者に頼むかによって、その後の10年、20年の安心感がまったく異なりますので、時間をかけて慎重に選びましょう。
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リフォーム時に使える補助金・火災保険の可能性
ガルバリウム屋根へのリフォームを検討している方の多くが、できるだけ費用を抑えたいと考えるのではないでしょうか。その際に知っておきたいのが、火災保険や自治体の補助金制度など、公的・民間のサポートを活用する方法です。
すべてのケースで適用されるわけではありませんが、条件に合えば大きな費用負担の軽減につながる可能性があります。
火災保険が適用されるケース
意外に知られていないのが、火災保険が「屋根の修理」に使えるケースがあるという点です。火災保険は火事だけでなく、台風・突風・雹(ひょう)・積雪などによる自然災害で建物に損害が生じた際にも補償対象となることがあります。
たとえば、台風で屋根材が飛ばされた、雹や強風で鋼板がへこんだ・割れた、雪の重みで屋根が変形したといった被害が確認できれば、保険会社に申請して修繕費用の一部〜全額を補償してもらえる場合があります。
この際、施工業者に被害状況の写真を撮影してもらい、見積書とあわせて保険会社に提出する流れが一般的です。ただし、経年劣化や施工不良による損傷は補償対象外となるため注意が必要です。
自治体の補助金制度(※一般的な仕組み)
一部の自治体では、住宅リフォーム促進のための補助金制度を設けており、屋根リフォームも対象工事に含まれる場合があります。支給額は地域によって異なりますが、上限10万円〜80万円程度の補助金が支給されるケースが一般的です。
補助金を受給するにはいくつかの条件があり、主に以下のようなものが挙げられます。制度は年度ごとに変更されることもあるほか、申請・受給できる枠が限られていますので、リフォームを思い立った段階で、自治体のホームページや窓口で最新情報を確認することをおすすめします。
- 市内の施工業者を利用すること
- 着工前に申請すること(事後申請は不可)
- 居住者本人の所有物件であること
制度を活用する際の注意点
火災保険や補助金を利用する際には、いくつかの注意点があります。まず、保険申請には被害の証明が必要であり、原則として損害があった状態の証拠写真が求められます。
もし工事を先に済ませてしまうと、証拠を示せず申請が通らない可能性があるため注意が必要です。また、補助金制度も着工前申請が原則であり、工事後に申し出ても適用されません。
信頼できる施工業者であれば、これらの制度についてもアドバイスをくれるはずですので、早い段階で相談しておくことをおすすめします。
屋根リフォームは大きな出費ですが、補助制度や保険を上手に活用することで、賢く費用を抑えることが可能です。適用条件を事前に把握し、申請のタイミングを逃さないようにしましょう。
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よくある質問(FAQ)
ガルバリウム屋根について調べていると、「これはどうなの?」と感じるポイントがいくつか出てくるものです。ここでは、実際に多くの方が疑問に感じやすい項目をピックアップし、簡潔かつ明確に回答していきます。
| Q1:ガルバリウムとジンカリウムの違いは? |
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ほとんど同じ素材です。ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板は、どちらもアルミと亜鉛を組み合わせた合金メッキ鋼板です。
両者の構造は非常に似ており、「ジンカリウム」は特定のメーカーによって商標化された製品名といえます。
亜鉛とシリコンの比率がごくわずかに異なるだけで、性能として大きな差はありません。
どちらも高い耐食性を持っていますが、ジンカリウムには天然石粒が表面にコーティングされている製品もあり、
デザイン性を重視したい場合に選ばれることがあります。
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| Q2:何年ごとに点検が必要? |
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ガルバリウム屋根はメンテナンスが比較的少なくて済みますが、10年を目安に点検を行うのが理想的です。
点検の目的は、塗膜の劣化状況、釘やビスの浮き、シーリングのひび割れ、雨樋や板金のズレなど、
劣化の初期症状を早期に発見することです。
定期的な点検を行うことで、大規模修繕を未然に防ぐことができます。
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| Q3:ガルバリウムに向いていない家はある? |
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基本的には多くの住宅に適応可能な素材ですが、屋根の形状や地域の気候条件によって注意が必要な場合もあります。
たとえば、急勾配の屋根や複雑な形状の屋根では板金加工の難易度が上がり、施工に高い技術力が求められます。
また、沿岸地域では塩害による腐食のリスクがやや高まるため、防錆処理の強化や定期的なチェックが必要です。
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| Q4:施工時に雨が降ったらどうなる? |
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施工中に雨が降った場合、基本的には作業を中止または延期します。
無理に工事を続けると屋根下地が濡れてしまい、カビや腐食、施工不良の原因になります。
信頼できる業者であれば、天候のリスクも見込んだうえでスケジュール管理を行っているため、
特別に心配する必要はありません。
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| Q5:塗装によって見た目は変えられる? |
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はい、ガルバリウム鋼板は塗装によってカラーや質感を変えることが可能です。
最近ではマット調・メタリック調・木目調など、多彩な仕上げが用意されており、
外観デザインにこだわる方にも対応できる素材となっています。
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再塗装の際には、屋根の断熱効果を高める遮熱塗料なども選べるため、機能面でもメリットがあります。
- 外壁塗装の屋根リフォームが得意な
\ 施工会社を探したい!/
まとめ
ガルバリウム屋根は、その軽量性・耐久性・美観性といった複数の魅力を兼ね備えた、非常にバランスのよい屋根材です。スレートやトタン、瓦といった他の素材と比較しても、総合的に優れた性能を発揮し、現代の住宅事情やリフォームニーズにマッチした選択肢といえるでしょう。
とはいえ、「高性能な素材だから安心」と過信してしまうのは禁物です。耐用年数を最大限に引き出すには、適切な施工と定期的なメンテナンスが必要であることを忘れてはなりません。
また、屋根材そのものだけでなく、工法の選定(カバー工法か葺き替えか)や業者の技術力、保証体制の有無など、周辺要素も仕上がりを左右する重要なポイントです。費用面では、初期費用がやや高めに感じられるかもしれませんが、長期的なメンテナンスコストや耐久年数を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの良い屋根材ともいえます。
火災保険や自治体の補助金制度を活用すれば、負担を抑えることも可能でしょう。
- 素材の特性を正しく理解すること
- 複数の屋根材と比較検討すること
- 信頼できる施工業者を見極めること
この3点を意識しながら、納得のいく選択を重ねていくことが重要です。住まいにとって最適な屋根材を選び、これからの暮らしを安心・快適に過ごすための一助となれば幸いです。

監修者:
一級建築士
白井 純平
どんな屋根材にもメリット・デメリットがあり、完璧なものはありません。最近は各メーカーの性能に大きな差はありませんが、色合いには違いがあります。たとえば「グレー」でも、メーカーによって少し青みが強かったり、明るさが異なったりします。
仕上がりに後悔しないためにも、気になる色はサンプルを取り寄せて、実物で確認するのがおすすめです。自然光の下で見比べると、印象の違いがよくわかります。
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監修者プロフィール
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白井 純平
SHIRAI ARCHITECTS
代表
一級建築士
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群馬県出身。一級建築士。SHIRAI ARCHITECTS代表。
大手組織設計事務所勤務を経て、地元高崎市にて独立。
多種多様な建築物に携わっていた経験を活かし、
建築物の価値創造をテーマに設計提案をしている。
関東圏のプロジェクトはもちろん、
中部エリアや海外に至るまで幅広く活動。
趣味はキャンプとカメラをもって散歩。